交通事故と示談

概説

和解は日本では裁判外・裁判上を問わず多く利用されている当事者による自治的な紛争解決方法です。和解は日本では欧米よりも利用度が高いとされ、訴訟では多くの時間と費用を要するとともに当事者間に決定的な亀裂を生じることにつながるため、日本では訴訟よりも迅速・円滑な紛争解決が図りやすい和解が好まれるとされています。その反面、なし崩し的妥協による和解は、近代的な権利義務意識の確立という観点からは問題視され、法の健全な発達を阻むおそれをもっているという指摘もなされています。また、交通事故による被害の補償をめぐる交渉等では、しばしば職業的な第三者(いわゆる和解屋)が交渉に介入し、しばしば弁護士法に触れるような活動(非弁活動)が行われて問題視されることがある。2008年9月5日、福岡地方裁判所久留米支部で即日結審した弁護士法違反をめぐるケースでは、損害保険会社と示談交渉を行い約6,700万円の報酬を得ていた会社役員が懲役2年、罰金約3,600万円を命じられています。
司法政策上、和解には権利義務意識の点から考慮すべき問題もありますが、特に日本では和解が紛争解決において重要な役割を果たしており、近年では諸外国でも日本の和解や調停など訴訟によらない紛争処理手続の合理性が見直されつつあります。なお、日本では平成16年に裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律が制定されています。

意義

私法上の和解は、裁判外の和解ともいい、日本では典型契約の一種として扱われます(民法695条)。他の典型契約(売買や賃貸借など)と異なり、新たな法律関係を作り出すことを目的とせず、既に存在している法律関係に関する争いの解決を目的とする点に特色があります。

なお、日常用語としては示談(じだん)という語が使われることもありますが、示談は一方が全面的に譲歩する場合もあり得るのに対し、私法上の和解は互譲が要件になっています(民法695条)。

交通事故による後遺障害者の実態

交通事故による死者の数は近年低下傾向にはありますが、その裏には近代医療の発達があります。
それゆえに一命は取り止めたものの、後遺障害に苦しむ被害者は増加傾向にあります。中でも、高次脳機能障害、遷延性意識障害(植物状態)、重度脊髄損傷等が代表的な後遺障害であるが、昨今では中心性脊髄損傷等のあたらしい後遺障害も出てきています。当然被害者は後遺障害の程度に応じて自賠責保険や任意保険からの保険金を受け取ることになりますが、昨今新聞紙上を賑わせているように、任意保険会社の払い渋りはすさまじいものがあります。
したがって、被害者は保険会社の言いなりにならず、示談をされる前に損害の程度を十分調査する必要がある。 保険会社は普通、請求し立証しないものは払わないという態度をとります。訴訟ともなれば、被害者の損害費目を十分に精査した上で請求をすることが大切です。損害費目の一例だけでも慰謝料、将来介護料、家屋改造費、車両改造費、遅延損害金、備品代等、被害者の生活にあわせて多種多様です。保険会社は一方的に被害者の年齢等で保険金を自社基準で提示をする場合が多いが、これは損保側の偏った基準であり、正当な基準とはかけ離れている場合が多いです。 被害者の社会的立場、学歴、年収などを十分に考慮し請求しなければなりません。